前へ戻る


1997年4月レポートから

分裂した意識を統合しよう

@宇宙との一体化には意識の統合が必要

今月は「現実」をテーマにしながら、宇宙の真理を学んでいこうと思います。宇宙というと、すぐアセンションだのフォトンベルトだのという言葉に惑わされ、現実を無視した言動をとっている人が多いからです。この1年で私は約250人、約600回の個人セッションをやりましたが、来る人来る人が「自分の役割を教えて欲しい」だの「魂の使命は何か」だのと聞いてくるのです。そういうアドバイスはしていない、と何度も言っているのに、執拗に聞いてきます。結局、リーディングで「あなたの使命は〜〜」などと伝えられることはありません。

人間は多次元に同時に存在している生命体です。三次元世界での現実を楽しんでいるのも人間です。三次元を無視することはできません。人間関係、仕事、家庭、どれも大切です。ただ、勘違いしてはいけないのは、三次元物質に意味があるのではなく、三次元の現象を通して何を学ぶか、どういうエネルギーを発するかなのです。私たちはこの三次元世界にあまりにも意識を集中しすぎて、多次元で存在しているということに気がついていないのです。

それぞれの次元ごとに活動できる意識があります。ただ、その場合の意識を顕在意識のようにとらえると、まったく誤解してしまいます。それぞれの次元ごとに世界や体の構造がまったく違い、学ぶべきテーマが違うため、考え方自体が違います。三次元的思考形態にとらわれない認識の仕方をとっています。私たちは顕在意識の奥に潜在意識や無意識(超意識)を持っているのですが、これらの意識が分裂している(つながっていない)ため、その世界で体験したことをほとんど覚えていないのです。

私たちが新しい時代に向かい、新しい宇宙時代に入るためには、これらの意識の統合が必要となります。これらの潜在意識や無意識をマボロシのように捉え、顕在意識だけが実在であるかのように解釈している人が普通でしょう。でも実際にはまったく違い、潜在意識や無意識こそが実在の世界でもあるのです。顕在意識は三次元世界で学ぶための意識であり、大脳によって認識されています。それに対し、潜在意識や無意識での体験は大脳では記憶されないため、存在していないように思えているのです。 こういうことをどのように説明したらよいか、困っていました。ちょうど、タイミングがよく、保科一美さんからすでに紹介したリサ・ロイヤルの新書「宇宙人遭遇への扉」の案内ハガキが届きました。そして意識の統合について、実にうまく説明されています。ただ、観点が「宇宙人との出会い」に絞られています。でもプロセスはまったく同じなので、ここでは魂に出会うという観点で説明しようと思います。

なお、私は今まで特定の書物を紹介することを控えてきました。どの本も役割があり、読むべき人が決まっているので、一つの本を多くの人の前で良書として紹介することができないのです。また、原書は良くても、訳が適切でなかったり、誤訳が多くて紹介できない場合もあります(日本語版の「光の手」がその代表)。どんな良書でも、初めから終わりまですべて正しいというものはありません。一部に勘違いがあったり、表現のまずいところがあったりします。したがって良書とはいってもすべてが正しいという観点ではなく、自分にとって納得のいく場所だけを選んで読むようにしてください。

昨年秋ごろから、勉強会やセミナーで執拗に「概念を壊す」「執着をとる」「自分を観る」ということが伝えられました。これは潜在意識・無意識の世界に隠れている闇や恐れに目を向けるように言われたものです。「大いなる自己は完全なる統合の状態にあります。もし大いなる自己を見い出せたなら、きっと奇跡が起こるでしょう。しかし奇跡が起こるためには、まず心の闇を直視しなければなりません」(宇宙人遭遇への扉から、以下引用はすべてこの書)。

自分の心の中に隠れているものを直視することはつらいことであり、不愉快なことです。でも、これをそのままにして意識を高めることはできないのです。「自分自身の心を見るのはとてもつらいことではありますが、また魂と一緒にそれを行なうことは喜びでもあります。魂との繋がりを無視して、自分の心をひたすら見ようとすると、単につらくなってしまいます」(記録集Jから)。今まで、見て見ない振りをしてきた多くのエネルギーが潜在意識・無意識の中に溜まっているのですが、地球波動の高まりと共にこれらが表出したがっているのです。

2月の月例セミナー「自分を観る」では、各自のこれらのエネルギーを表出させました。「パンドラの箱を開けた」(宇宙人遭遇への扉)のです。そして解放された多くの否定的なエネルギーが暴れ回りました。ところが、参加者の中でこの後処理をうまくやらないままにしてしまった人がいます。単に、暴れ回されただけの状態で混乱中の方がいるのです。闇への恐れがいっそう高まり、現実が恐れの渦に巻き込まれたのです。自分には闇はない、と思っている人ほど混乱に巻き込まれたようです。

これを正しく処理するためには、自分で解放した闇であるということを素直に認め、その現象化を魂に明け渡すことが必要です。「魂と一緒になって行なう」ことが必要なのです。信じたくない気持ちは分かります。でも、自分のエネルギーであることを認めなければ、自分を確立することはできません。自分のエネルギーを否定している限り、自分の現実を受け入れることができないからです。

2月の月例ワークでパンドラの箱を開けてしまった人でも、3月の月例ワークに来た人はそのエネルギーの制御を魂に明け渡すワークを行ないました。自分と魂が一緒になったのです。もし、2月の月例ワークで混乱に陥り、3月の月例ワークに来れなかった人は、自分一人でも良いですから、そのエネルギーを素直に認め、魂に明け渡すことをやってみてください。

意識を統合するというのは、魂やガイドの思いをそのまま受け取ることができるということです。これまで、無意識や潜在意識のところに隠れていた恐れなどが魂などからの情報を歪めていたのです。せっかく有益な情報を魂が与えても歪んで伝えられてしまうのです。「宇宙人と遭遇しても、天使と出会ったという人がいれば悪魔に出会ったという人がいるでしょう」ということになってしまうのです。

潜在意識・無意識に潜む恐れは、同書では宇宙人に対する恐怖を強調して挙げていますが、ここでは闇に対する恐怖、孤独・独りぼっち・仲間外れになる恐れ、神や光に対する恐れ(間違っていたらどうしよう、過去の償いをどうしよう、正しいことをしなければいけない)などがあります。

昨年秋ごろから勉強会や月例ワークで何度も何度も言われた、闇や恐れを直視すること、既成概念を崩壊させることは意識の統合のための必須ワークであり、魂や宇宙意識に繋がるだけではなく、宇宙人との遭遇のためにも必要なワークであることが分かりました。ただ、魂からの情報を正しく解釈するためには、現実をそのまま受け入れるということが必要です。

「他人から愛されていない」と思っているときは、魂が「あなたから愛されていない」と感じているときであり、「あの人が何かおかしい」と感じているときは、魂があなたに対して「何かおかしい」と感じているときであり、他人に不快感を感じているときは、「不快感を感ずるエネルギーが潜在意識の中に隠れていますよ」という意味です。意識を統合した後、現実を通して魂との素直な交流ができるようになることを望んでいます。


A現実はVRの如し、VRは色即是空なり

よく「三次元世界はすべて本来は存在していない」とか「現実は架空の世界」と言われます。太古の昔から、立派な先生方が言ってきました。でも、私たちからすれば三次元世界は本当に現実であり、実感があり、とても架空とは思えないですよね。ところが本当にすべて作り物なんです。目の前にある物は実際にあるように見えているだけであり、隣にいる人も実際にいるように見えているだけなんです。

コンピュータやインターネットに詳しい人ならVR(バーチャル・リアリティ)とかサイバースペースとかいう言葉を聞いたことがあると思います。コンピュータで造られた架空の世界で、自分が体験を重ねていきます。時々、別のキャラクターが現れてきます。それは別のコンピュータユーザーの操作によるキャラクターです。本当のユーザーの姿は分かりませんが、とりあえずコンピュータによって造られた姿が現れます。架空の世界のため、コンピュータの性能によりとても美しく軽快に動ける場合があれば、単調な色で動きが鈍いこともあります。

実は、私たちの三次元世界もまったくこれと同じなのです。いかにも皆が同じ現実を体験しているように見えますが、実際は一人ひとり自分だけの現実を体験しています。自分だけの現実は自分だけのエネルギー(思考、感情)で造られており、ほかの人のエネルギーには関与されていません。

良く、「あの人の所為でこうなった」とか「あの人のエネルギーのために傷ついた」とか言う人がいますが、残念ながら、そんなことはあり得ないのです。今月のセントラルサンは難しい話が続いていますが、現実を受け入れるために、何とか理解して欲しいのです。

人間が感覚器官の刺激によって受け取った各種の情報はすべて脳に送られ、分析されます。分析された後、どうなるのでしょう。視細胞で受けた光の情報(赤青緑)は脳で組み立てられ、目で見ているかのように現実を造ります。耳で聞いた音はいかにも音が出ているように現実の中に入ります。同じように、熱いと思っているものを触れば、やけどをするように指令を出します。歩くという動作をすれば前に進んでいるかのような状況をつくります。実際には三次元的な世界は存在しておらず、すべてあるかのように思わされているだけなのです。

目の前に他人がいる。でも、実際にはお互いの心はまったく別の領域に存在しています。自分の意識エネルギーによって造り出された現実の世界の中で、他人が現れると、他人のエネルギーと自分のエネルギーの共鳴する波動が自分に見えてきます。もし、その人と自分がまったく違うエネルギーで、何一つ共鳴するところがなければ見ることはできません。宇宙人が見えないのも、こういう理由からです。したがって、目の前に現れている人は必ず、自分と同じ波動を持っていると思ってください。

同じ波動を持っていて、しかもお互いに癒すべきエネルギー(あるいはカルマ)があると一緒の体験が始まります。どちらかが順調に癒しを続け、学ぶべきエネルギーがなくなってしまうと、エネルギーが合わないため、お互いに会うことがなくなります。このときエネルギーの所為で分かれるとは思っていないために、三次元世界では既成概念に基づいて勝手に理屈をつくり、喧嘩して別れたり自然に別れたりします。

現実は自然に与えられるのではなく、あらかじめ魂と一緒につくった多くの選択肢の中から、一人ひとりの一瞬一瞬の選択によって現象化されていきます。その時その時に発せられる思考のエネルギーと感情のエネルギーによって現象がつくられます。思考のエネルギーは流れをつくり、感情のエネルギーはそれを肉付けしていきます。実際には人によって特徴があり、タイミングに強い力のある人、感情に力のある人など、個人差があります。私の場合は思考のエネルギーだけで現実が造られ、感情のエネルギーは現実化に影響していません。だからといって感情のエネルギーを出していないわけではなく、周囲の人の感情のエネルギーを使って、そのまま相手に反射させています(魂の制御による)。これは今生の役割に関係していないためであり、卒業したわけではありません。

このように、私たちが現実と思っているのは本当に自分だけの現実だけであり、他人にはまったく関係しておりません。ただ、一瞬一瞬発するエネルギーは宇宙全体に影響を与えており、特定の人に向けて放たれた言葉やエネルギーはその人に向かって確実に進んでいきます。しかしその人がそのエネルギーを受け、どのような感じを抱くかはその人によります。その人の持っているエネルギーで反応するからです。仮に、複数の人に同じ言葉を発しても、ある人は感謝と受け取り、ある人は中傷誹謗と受け取って怒ったりします。自分のエネルギーで怒っているのです。相手から受けた、と思っているエネルギーは実際は自分のエネルギーなのです。認めたくないかもしれませんが。

思った通りに実現する。この仕組みが少しずつ分かってきたものと思われます。いくら顕在意識で強く願っても、潜在意識や無意識で願っていなければ、実現することはありません。本当に実現して欲しいことは魂に直接、願い出るぐらいの気持ちが必要です。私たちは夜、眠っているとき、魂に出会い、翌日の予定をつくります。したがってどのような現象でも、魂との合意の上で実現されているということを心から受け入れましょう。

ここに書いたことをそのまま受け入れるのが難しいことはよく分かります。私にしてもすぐに納得できたわけではなく、瞑想中に宇宙船で体験したいろんな出来事やメッセージ、同じような体験をした人たちからの情報によってやっと納得したことです。こういうことを受け入れるには人それぞれ時期があり、時期がまだきていない人(まだ体験すべき現象が残っている人)は現実にもっと目を向け、現実の中に魂や神の思いが潜んでいることに気づく作業が続くでしょう。三次元世界を否定することなく、現実を否定することなく、楽しんで体験していただけるのを望んでおります。 

前へ戻る

(c)1997 CentralSun